「我的地図」

公開日: 2016年3月17日木曜日

「からだをとりもどす」スキルアッププログラム2015年公演『我的地図』
を観てきました。

第3部の「The Dark Side of the Moon」には打ちのめされました‥
自分が人生で目を背けてきた仄暗い部分、下品、野卑、衝動、欺瞞、そんな海の中で溺れかけているところに、今度は情熱や喜び、希望のエネルギーが押し寄せてきて、ごちゃごちゃの混沌の中で気がついたら涙が止まらなくなっていました。
こんなにも自分は自分のことを知らないのに、やれ何を学ばねばとか、こう生きていかなければならないとか、無理をしているところもあったのかなぁ、なんて思ったりもして。
月の横の闇に思いを馳せつつ、ここに自分がいることを強く意識させられました。

「ボレロ」とか「Ship in a View」の振りもグッときました。違う作品に組み込まれるとまた意味合いが変わってくるものの、力がある動きなんだなぁと見惚れました。

あと、個性を個性として作品に活かす小池さんの敏腕っぷりがやばい。前半の作品ではどうしてもあった一人一人の技術の差が、この作品では単なる個々の違いとして有用に取り扱われていて、全体でひとつの作品として完成していました。人間を知り尽くした高度な知能をもった生命体が作ってんじゃないかと疑いたくなるような。

あー、いいもの見た。


それから、プログラム参加者達が皆、当事者として舞台に全力で挑んでいる姿はすごくすごく感動的でした。2年間学んだ知人はまるで別人のような存在感を放って舞台に立っていました。彼女に何が起こって、何を考えて、どうやってそこに辿り着いたのか、これからどこに向かっていくのか、1日中監禁して問いただしたいくらいです笑

私は色んな養成所や稽古場の発表会なんかを見るのが好きなのですが、この舞台芸術の学校の生徒の変化は特にすさまじいものがあります。生徒が自ら考え、自発的に創造していく芸術家に生まれ変わっていくのです。からだを取り戻し、魂を磨いていく様は、見ていて羨ましくなります。

人の成長を見るのはそれ自身が大きな喜びに感じられますが、それ以上に、人が成長していくと、たくさんの楽しいものや美しいものに出会う機会が増えていくわけですから、こんな嬉しいことはありません。世の中の1人1人全員が毎瞬間成長していったら、世界中がどんどん楽しくなっていくしかないわけです。

文化庁にはこれからも続けていってほしい事業です。



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