【閉幕】「レベッカ」
公開日: 2019年1月27日日曜日
舞台「レベッカ」が無事に終わりました!(1週間前ですが。)
怪我も病気もなく無事にやり遂げることができました。
ご来場いただいた方、気にかけてくださった方皆様ありがとうございました。
終演後、衣装を褒めてもらった時が一番嬉しかったですね。シャーロックホームズ(グラナダTV版)のような服装をイメージして担ですが、探してみるとこれがなかなか大変で。本当のヴィンテージ品は雰囲気があるのですが、100年も前の服ともなるとどうしても古着感が出てしまう(しかも高い。。)良い家の生まれなのに服がボロじゃあ格好がつかないし、かと言って新しい服ではその時代にはならないし・・・。ディティールは古く、状態のいい服というのは難問でした。
古着屋20軒以上は行った気がする。大変だったけど、知らない店探して回るのは楽しかったです。
最終的には、原宿にある「アポロ」という店でほとんど揃えました。
ここは主にイギリスで買い付けているヨーロッパヴィンテージ専門店で、品数豊富で状態も良いものが多く、値段も手頃というドンズバ感。
中でもスカーフとか巻き物類の豊富さは群を抜いてるんじゃなかろうか。店主曰く、紳士は年間200本必要になるんだから、品質のいいものをたくさん仕入れているんだそう。ウィークディは毎日違うもの巻くようなダンディにはほど遠いけど、ちょっと普段着に取り入れていきたい所存。
シルクハットとか無駄に買いそうになる危険地帯。
アポロ
あと、買い物はしなかったんですがもう1つ素敵なお店があったのでご紹介だけ。東京駅付近にあるフレンチヴィンテージ専門店「Mindbenders & Classics」。
ところ狭しとお行儀よく陳列されている服はどれも歴史を重ねた雰囲気を帯びていて、買い物にきたってよりは美術館の中を歩いているような感じ。1点1点に対する敬意があって、気分の良い空間でした。
残念ながら予算オーバーで衣装には使えなかったけど、いつかお気に入りの1着を見つけに行きたいなぁなんて思ってます。
Mindbenders & Classics
http://mindbendersandclassics.com
ヘアスタイルはツヤありオールバックのSlickedスタイルを思い描いてたんですが、スタイリングが上手くいかねぇ・・・。
衣装とかそういうのは追求するのは楽しいけど、相談できる人が必要だなぁと思いました。その方が演技に時間裂けるし。服マニアな友達作ろう(w
演技面で言えば、作品の後半で誓約書を書くシーンがあるんですが、そのシーンを練習したことが一番印象に残っています。当然舞台では日本語を喋っているわけだから日本語で書いてもいいんでしょうけど、あんまり格好つかないので、英語の書き取り練習をしました。
はじめはカッコつけぐらいにしか考えてなかったんですが、書いているうちに気が付いたのは、この人物は43歳という設定。生まれてからずっと、息をするぐらい当たり前に行ってきた書くという行為の最後の1回なのだということ。それまでは機械的にライティングを繰り返していましたが、それに気がついた時は筆が止まり気持ちが抑えられなくなりました。
行為の陰にある意味に気がついた時、演技がガラリと変わる。そんなの当たり前だと思ってたはずなのに、改めて驚きました。
で、ノート2冊潰すくらいには書いたんですけど、実際舞台の上でやってる時は「日本語のセリフ喋りながら英語を書く」っていうタスクが大変すぎて、スペルミス率100%でした・・・。付け焼き刃じゃいかんですね。
あと、演劇をやる上でこの先考えていきたいことができて、
それは「この作品の成果をどう蓄積して、次に繋げていくのか」ということ。原作の「ロスメルスホルム」はイプセンのマスターピースの一つと数えられているようですが、これを我々がどう読み解いて、どう表現したのか。レベッカとはなんだったのか。その質を評価し、共有し、そして次の上演に繋げていく。そういう学術的な蓄積みたいなものはどうしたら積み上げていけるんだろう?そんな疑問があります。今まで世界中で行われてきた上演の成果を得て、それに対して新しい考察や実験や回答をする。そんなことができたら、もっと演劇が洗練されたものになるんじゃないか、そんな風に思いました。優れた芸術家たちはきっと自分でそういうことをやってってるんだろうな。
それから、舞台は楽しいけどリソースをたくさん使うので、そんなにたくさんはできないなぁと思いました。
もう十分長文だけど、数ヶ月取り組んできたからまだまだ思うことはたくさんあって書ききれない・・・。
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