髪を切りました
公開日: 2015年3月29日日曜日
知り合いの間で話題になっている美容師に髪を切ってもらいました。ともかくユニークで、それでいて行く人行く人みんなイイ感じになってくるのです。ここ何年かは同じ美容師さんにお願いしていて満足はしていたんですが、好奇心が勝りました。
「鏡が置いてない」「髪の声を聞」「わくわくさんみたい」色んな情報を聞けば聞くほど、気になってしょうがない。
行かないと絶対後悔するやつや!そう思い立ち、春だし!と自分に言い聞かせ行って参りました。
細かいことは省きますが、とても良かったです。
そうか、髪を切ってもらうのに鏡って要らないんだ。
あの母親に髪を切ってもらう時に使ったような、パラボラアンテナみたいな髪キャッチャーを装着し「子供みたいでしょ」なんて声をかけられて気がつきました。
髪を切ってもらっている間って、自意識のカタマリだったんですね。
美容師さんは、髪を切っている間は会話をしませんでした。
そうか、髪を切る間は会話も必要じゃないないんだ。
気を使って話しかけてくる美容師が苦手だったのは理由があったんですね。「必要性を感じない」ということ。
楽しい会話は好きです。
でも、間を埋めようとしてくれる気遣いは苦手。
そんな自分にも気がつきました。
髪を切る美容師さんの手つきは不思議で、なんというか作為を感じないのです。そこにはそういう虫が住んでいて、ただそこにある髪を食べているんだというような感覚。
あまり髪を引っ張ったりしないし、すごく肌に近い部分もそれが当たり前のようにざくざくと切り進めていくからそう感じたのかもしれません。そこには無駄なものが無いように思えました。
じょきじょきという音、住宅街のささやかな生活音、温かな手が髪に触れる手触り、そういうものに囲まれながら、ただ時間が過ぎていきました。
出来上がった姿はどうでしょうか。
前髪と頭頂は長さを残して、くせ毛の動きがそのまま出るようになっています。
体の細さに合わせてから、横は思い切って短く切られています。
思い切ったスタイルに見えます。
でも、これは自分が求めていたものにも見えます。
そして切り終わった後の美容師さんの、なんの驕りも衒いも無い顔に安心感を覚えました。
友達になんて言われるんだろうな、なんて想像するとワクワクします。
それは新しいおもちゃを手にした気持ちにも似ています。
そういえば、自分の外見ってたくさんの人がいてでき上がっているんだなぁって思いました。
スーツは、仕立ててくれたテーラーさんがいます。
私に姿勢を教えてくれた恩人がいます。
例えばフレッドアステアに憧れ、マーロンブランドになりたいと思い、ローレンスオリヴィエに釘付けになり、もしかしたらどこかでそんな影響も受けているのかもしれません。
そして髪型は、こうして出会ったいい腕の美容師さんに作ってもらっています。
個性的になりたいと思っていたのに、そのためには人の助けが必要というのは面白いですね。そもそも、他人との違いが一番分かっていないのは自分なのです。
イメージが変わってしまったので、今度新しくプロフィール用の写真を撮ってきます。
期せずして、心機一転の春です。
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